プロフェッサーインタビュー大槻毅教授2020.11.25
■鍛え上げた肉体でも
マラソン大会の後は風邪をひく人が増えるという研究など、疲労が感染症のリスクを高めることはよく知られています。
私たちの実験でも剣道部を対象に通常よりもハードな練習メニューを行なう時期を見計らって選手の唾液を分析したところ、普段より唾液の量、含まれる抗体ともに減っていて、感染症のリスクが高まることが裏付けられました。
■睡眠と栄養、運動のバランスが大切
感染症のリスクを上げないため、私たちは栄養の働きに着目しました。学生を2つのグループに分け、片方には偽薬を、もう片方には各種栄養素(アミノ酸、ビタミン、ミネラルなど)を少量でも多様に含んでいる総合栄養サプリメントを飲んでもらいました。
その結果、偽薬を飲んだグループは唾液と抗体ともに減りましたが、サプリメントを飲んだグループはどちらも減りませんでした。これは疲労時にも栄養に気を配れば感染症を予防できることを示しています。
■いろんな種類を残さず食べましょう
疲労以外に加齢やストレスも、体を守る力を低下させてしまいます。
毎日の食事で栄養バランスに気を配っていきたいですね。
私は、毎朝朝食をつくっていますが、
1)味噌汁にできるだけ多種類の食品を入れること
2)人参や大根は皮をむかないこと
3)魚は皮も食べること
4)果物・乳製品を欠かさないことを心がけていて、いつも元気はつらつです。