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健康な大人になるための味覚を育てる習慣

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「子どものうちに身に付けたい3つの食習慣」についてお伝えするキッズ食育コラム。第3回は「健康な大人になるための味覚を育てる習慣」についてお話します。

子どもの頃から慣れ親しんだ味は大人になっても美味しいと感じることが多いですよね。つまり子どもの頃に食べる味付けは、その子の一生の嗜好を左右するといっても過言ではありません。特に味の濃さは、子どもの頃に濃い味付けに慣れてしまうと、生涯にわたって濃い味を好むようになり、塩分摂取過多による生活習慣病につながる可能性があります。将来の健康のためにも子どもには薄味を好む習慣を身に付けてもらいたいですよね。

大人と子どもではちょうど良い濃さが違う

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離乳食の頃は素材の味を生かして薄味を意識している方も多いと思いますが、幼児食になり大人と同じメニューが食べられるようになると、味付けも大人と同じになりがちです。しかし、子どもは大人に比べ味覚が敏感なので、大人と同じ味付けでは「からい」と感じてしまい逆に食べにくくなることがあります。特に塩・醤油・味噌など塩分の高い調味料が多い味付けは、塩辛くなりがちなので注意が必要です。子どもにとって適切な濃さの目安は、大人が食べた時に「薄いけど美味しい」と感じる濃さであり、その味を出すためのカギはうま味を生かす事です。

だしを効かせて調味料の量を減らそう

うま味の代表と言えばだしですよね。だしをしっかり効かせると風味が豊かになるため、塩分を控えても美味しく仕上がります。お味噌汁やスープなどの汁物は野菜がたっぷり摂れるなど子どもにもおすすめのメニューである反面、毎食摂ると塩分量が気になるメニューでもありますが、だしを効かせて味噌や塩を控えめにすれば安心していただくことができます。カツオ昆布だしも慣れればそれほど手間はかかりませんが、面倒な場合は鰹節に熱湯をかけただけでも簡単なかつおだしができあがります。また昆布やいりこを水に入れて一晩置くだけの、水出しだしも手軽に挑戦できておすすめですよ。

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出汁以外にもうま味の強い食材はたくさん

汁物を薄味で美味しく仕上げるコツはだしでしたが、炒め物などの場合はどうしたらいいでしょう。炒め物メニューはついつい濃い味になりがちですが、こちらもうま味の強い食材をうまく利用すれば薄味でも美味しく仕上げることができます。具体的には、きのこやトマト、貝類などです。特にきのこはうま味成分であるグアニル酸が多く含まれているため、料理に加えることで深みのある味に仕上がります。数種類のきのこをほぐしてまぜ冷凍しておけば、簡単に料理に追加でき、うま味がアップしますよ。

また、薄味に仕上げたものにコクや香りのある食材を後からちょい足しするのもおすすめです。青のりや桜エビ、すりゴマや練りごま、ナッツなどから料理に合わせてチョイスしてみてください。風味豊かになり薄味でもグッと美味しくなりますよ。

酸味も上手に使えば強い味方に

他にも醤油やドレッシングを直接かけて食べるメニューもついつい調味料を多く使いがちですが、酢や柑橘系の酸味を加えるとそれがアクセントになり、醤油や塩などの調味料を減らしても満足の味になります。ただ酸味は子どもが苦手な味の一つなので、最初は少量で挑戦し、少しずつ酸味に慣れる事も必要です。

香辛料や香味野菜も適度に活用する

他にもカレー粉やマスタードなどの香辛料や大葉やミョウガなどの香味野菜も、香りが効くことで薄味が気にならなくなります。ただし、子どもには刺激が強い物も多く、使いすぎると子どもにとっては「嫌な味」になる事もあるので、大人が好むほどにしっかりと効かせることはせず、少量にとどめるようにしましょう。

子ども自身が調味料をかけるメニューは要注意

ここまで調理の際の味付けで薄味でも美味しく仕上げるコツをお話してきましたが、意外と注意が必要なのは食べる時に子ども自身が調味料をかけるメニューです。目玉焼きやハンバーグ、オムライスなどに醤油やソース、ケチャップなどをかける場合、子どもに任せているとたっぷりとかけてしまいがちなので、大人と一緒にかけ適量を学べるようにしましょう。

すでに濃い味に慣れている場合でも少しずつ慣れていけば改善できる

これから幼児食に入る年齢のお子さんは、最初から意識すればスムーズに薄味を好む習慣が身に付くと思いますが、すでに幼児食が始まっていて濃い味付けに慣れてしまっているお子さんもいると思います。その場合でも少しずつ薄味に慣れる事で、嗜好を変えることはできます。1回の食事で全てのメニューを一気に薄味にすると物足りなさを感じやすくなるので、まずは一品だけ薄味にするところから始めてみましょう。「薄味でも美味しい」料理を食べる事で濃い味付けから脱却することができるようになりますよ。

クロレラ入り味噌玉

クロレラ入り味噌玉

■材料(味噌玉5個分

味噌
30g/dd>
天然粉末だし(鰹節やいりこ粉末でも可)
小さじ1/2
乾燥わかめ
小さじ1/2
サン・クロレラAパウダー for Cooking
適量

■作り方

  1. ボウルに味噌と粉末だしを入れてよく混ぜ合わせる。
  2. 1に乾燥わかめを入れ、さらによく混ぜる。
  3. 2を1/5量ずつ手に取り、両手で転がすように丸める。
  4. 小さい器(深さのあるもの)にサン・クロレラAパウダー for Cookingを入れ、3を中で転がしながら味噌玉の周りをコーティングする。

味噌玉の具材は乾燥わかめ以外にも乾燥野菜や高野豆腐、薄揚げなど好みの物を選んで作ってみてください。乾燥した具材を使用する方が日持ちします。通常、冷蔵で1週間、冷凍で1か月保存できます。保存の際は1個ずつラップして乾燥を防ぐと美味しくいただけます。

小さな子でも楽しく作業できるレシピなので、ぜひお子さんと一緒に作ってみてください!クロレラパウダーが余った場合は、第1回、第2回でご紹介したパンケーキやスムージーに活用してくださいね。

Profile

羽山涼子

羽山涼子医師・キッズ食育マスタートレーナー

京都で医師として働く傍ら、日本キッズ食育協会のキッズ食育マスタートレーナーとして活動中。子どものための食育スクール「青空キッチン京都仁和寺校」主宰。

内科医として経験から子どもへの食育の重要性を感じていたものの、自身の子育て中に子どもに伝える難しさを実感しました。そんな時に「キッズ食育」と出会い、子ども達に楽しく伝える食育を学びました。「子ども達が楽しく食と触れ合うことで自然と食への関心が高まり、自分の体を気遣う事ができるようになる」。そんな食育がもっともっと広がる事を願い、日々活動しています。

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