若さの秘訣「フィトケミカル」!野菜の栄養素を効果的に摂るコツとは?
年齢を重ねても若々しく元気な体でいたい、誰もが願うことではないでしょうか?外見を含め、体と心の健康を保つことができたら毎日をより健やかに過ごせると思います。
そこで今回は、夏野菜に多く含まれる“第7の栄養素”ともいわれる「フィトケミカル」を上手に取り入れて体の内側から元気になる秘訣をお伝えします。
【ライタープロフィール】
調理師の資格を持ち、さまざまなジャンルの料理店で経験を積んだフリーランスの料理人ライター。3児の母でもあり、いろいろな食材と向き合い料理をする日々。旬の野菜を使った料理が得意。
フィトケミカルとは?
「フィトケミカル」とは「ファイトケミカル」とも呼ばれ、植物が紫外線や害虫などから身を守るために作り出される機能性成分のことで、植物が持っている色・香り・苦味・辛味などを指します。フィト(ファイト)はギリシャ語で植物を、ケミカルは英語で化学物質を意味し、2つを合わせて“植物性の化学物質”という意味です。
これらの成分には、健康の維持や増進効果があると近年の研究で明らかにされました。その数はなんと数千種類以上にもなるといわれています。
このフィトケミカルは人間や動物の体内では作り出せない成分のひとつです。私たちは野菜や果物を食べることで、フィトケミカルのパワーを体に取り入れることができます。
フィトケミカルの健康効果
色鮮やかな野菜や果物の多くが旬を迎える夏。夏野菜と聞いて思い浮かべるのは、トマトやスイカ・とうもろこし ・ピーマンなど色鮮やかな野菜や果物ではないでしょうか。
真っ赤なトマトやスイカにはリコピンが含まれており、皮膚のダメージや活性酸素を減らす働きがあるといわれています。
黄色のとうもろこしにはルテインが含まれ、強い抗酸化作用によって目のダメージや老化を予防する働きがあります。
緑のピーマンにはクロロフィルが含まれ、血中コレステロール値を下げ血液をサラサラにする効果が期待できます。
ちなみに、活性酸素は体の細胞を傷つけさびさせる働きがあります。年齢とともに増えるといわれており、生活習慣病や老化の進行にも影響を与えます。
数千種類あるフィトケミカルには強い抗酸化作用を持つものが多いことがわかっています。
野菜や果物を普段の食生活に取り入れることで、抗酸化作用だけではなくデトックス作用・免疫力の向上・代謝促進・アンチエイジング効果・ストレス緩和などへの効果効能に期待ができます。
色別で見る!野菜の栄養素
ここからは、野菜が持つ天然の美しい色とそこに含まれるフィトケミカルを組み合わせて、普段の食生活に効果的に取り入れる方法をお伝えします。
夏野菜に含まれる色を大きく7色に分けてみました。色ごとに含まれるフィトケミカルと期待できる健康効果も合わせてみてみましょう。
赤:リコピン / 血流改善 (トマト・パプリカ・スイカ)
黄:ルテイン / 抗酸化作用 (とうもろこし ・ケール・しそ)
橙:βカロテン / 皮膚や粘膜の健康維持 (ニンジン・カボチャ)
緑:クロロフィル / デトックス効果(ピーマン・オクラ・ブロッコリー)
紫:アントシアニン / 目の健康をサポート(ナス・紫キャベツ・ビーツ・ブルーベリー)
白:イソフラボン / アンチエイジング効果 (枝豆・大豆)
茶:βグルカン / 免疫力の向上(大麦・きのこ類)
旬の鮮やかな夏野菜を取り入れるレシピ
野菜には多くの栄養素が含まれています。毎日の食生活では肉や魚の他に、野菜もしっかり摂れるバランスのいい献立にしたいと考える方がほとんどだと思います。
ただし、夏の暑い日にはなるべく手軽で時間のかからないもの、それでいてさっぱりしたものを体が自然と欲します。
そこで、夏ならばどこのご家庭でも常備しているであろう「めんつゆ」を使って、作り置きもできる旬の色鮮やかな野菜のレシピをご紹介します!
■ 夏野菜の出汁マリネ冷奴
【材料(2人分)】
トマト(ミニトマトなら1/2パック、大きいものなら1個)
枝豆(片手に収まるくらい、冷凍品でも可)
タマネギ(紫タマネギでも可、中1個)
絹ごし豆腐(1丁)
かつお節(適量)
めんつゆ(適量)
オリーブオイル(ひと回し)
【作り方】
(1)下準備:トマトは大きめのざく切り、タマネギは大きめのみじん切りにして水にさらしておく。枝豆は固めに茹でる。
(2)タマネギをざるにあげて、水気をよくきる。ペーパータオルで軽く水分を拭き取ってもよい。
(3)カットした野菜をすべて和えて、食べるまで冷蔵庫で冷やしておく。
(4)食べるときに、豆腐を器に盛り(3)の和えた野菜をのせ、かつお節・めんつゆ・オリーブオイルをお好みで適量かけてでき上がり。
※タマネギは、旬の新タマネギや紫タマネギを使うと辛みがマイルドです。野菜とめんつゆを混ぜたものは作り置きもできます。しっかり冷やすのがおいしくなるポイントです。
■ 夏野菜の揚げ浸し
【材料(2人分)】
ナス(2本)
カボチャ(1/8個)
オクラ(4本)
しょうが(1/2かけ)
ミョウガ(1個)
しそ(適量)
揚げ油(適量)
濃縮出汁つゆ(適量)
氷・水(適量)
※他にもお好みでズッキーニ(1本)、パプリカ(1/2個)、インゲン(4本)を加えるとよりカラフルになります。
【作り方】
(1)しょうがはすりおろし、ナスは縦8等分、カボチャは食べやすい大きさに切っておく。オクラ はガクを取ったら、縦に切り込みを一か所入れ、ミョウガとしそは千切りにする。
(2)野菜が入る大きさの鍋かフライパンに2cmほどの油を入れて、180℃に温める。野菜を1種類ずつ素揚げして、油をきる。
(3)めんつゆに氷を数個と水を少々入れて混ぜておく。(氷は溶け切らなくてもOK)
(4)揚げた野菜を器に盛り付け(3)のめんつゆを回しかけ、ミョウガ・しそ・おろししょうがをのせる。(薬味は別盛りにしてもよい)
※野菜の揚げ浸しも、多めに野菜を揚げてめんつゆにつけておけば作り置きのおかずになります。揚げたての野菜に冷たい出汁をかけても、冷やして食べてもおいしいです。
フィトケミカルを効果的に取り入れて若々しい体を!
何気なく手に取り、食べている野菜たちの秘めたエネルギー。少し意識するだけで、体に大きな変化をもたらせてくれます。
カラフルな夏野菜は、目で見ても楽しめます。
フィトケミカルや栄養素を無理に取り入れようと力まず、色の組み合わせを楽しみながら選んだり、毎食ではなく1日の中でバランスよくいろいろな野菜を食べようと意識することからはじめると、無理なく継続できるのではないでしょうか。
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